若気のいたり

宅録3人組ザ・ブレーメンのメンバーによる交換日記です。

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タケシ日記~映画って本当に~

あけましておめでとうございますともう今さら言えないくらいもうすでにあけているんですが、それはそうと今さっき『メゾン・ド・ヒミコ』という映画を見終わったのでその興奮というか何か書きたい欲を満たすために久しぶりに日記を書きます。
『メゾン・ド・ヒミコ』は『ジョゼと虎と魚たち』の監督、脚本家がまたいっしょに作った作品です。
内容としては、突然自分がゲイだと告白して自分(娘:柴崎コウ)を捨てた父が作ったゲイ専門の老人ホームで、その父の恋人(オダギリジョー)と、オカマ老人たちと、自分の死を自覚して静かに死を待つ父と週末だけアルバイトとして過ごす、という映画です。
とにかくこの映画の何が素晴らしいかと言えば、もうこの脚本家と監督の相性の良さだ、ということに尽きてしまうかもしれないくらい全くブレのないピンと張った2時間くらいの映画なんですが、今回はそこは置いておいて、このぶっとんだ設定のどこにこの映画の素晴らしさのひとつであるどんな人間でも感じるであろう人間の気持ちの抽出があるのかということをちょっと考えてみたいと思います。

ここ数年で見た映画の中で一番俺が本当に見て良かったと思っているのが『ショートバス』というこれまた同性愛の人がたくさん出てきて重要な役割となっている映画なんですが、これも表のイメージに出てくるとにかく男も女も男同士、女同士、男と女でセックスしまくるという設定の中で、非常に純度の高い感情の抽出がなされていて、それが本当に見事というしかないのですが、この共通点とはなんなんでしょう。
まったくもってほぼ同性愛には無知なのでそこを掘り下げるわけにはいかないのですが、この設定の隠れたメッセージは『他者とどうわかり合うのか』ということに繋がるのではないかなぁと俺は思っています。
この設定にした時点でそのテーマが自動的に設定されている、と見る側は思っていいと思うのです。
マイノリティーである人たちはマジョリティーの人たちとはわかりあえない、という前提、というかテーマがあると。

『ショートバス』での主人公の女性のセックス時のオーガズムへの欲求などは「他者」と「自分」を肉体的な感覚としてひとつにしたいというメッセージと受け取ることができます。
現代人が存在的に感じているであろう自分と他者は全く、どう考えても違う生き物だという前提を乗り越えるのが、『ショートバス』ではセックスであり、その一見快楽的過ぎる行為は肉体的にも精神的にもひとつになりたいという欲求の塊なんだ、という表現は、非常にわかりやすいし、そんなことにしか頼れない人間になっている人たちの切なさを非常に的確に表現できていると思うのです。

『メゾンドヒミコ』にはゲイの人たちと異性愛者とのギャップがまずあって、プラス、自分を捨てた父と娘との距離感があります。
それがどうなっていくのかは映画を見てもらうしかないのですが、この映画ではゲイがどうとか、父と娘がどうとか、まったく何も言いません。
実際、この映画の後半では「本当虫唾が走るよ、あんたたちホモのエゴって」「どうしても父を許せない」と確認して、映画は終わります。
他者と自分は全く分かり合えない、と確認します。
この映画が素晴らしいのは、それを確認するために2時間のほぼ全てを使っているところです。

『ジョゼ』のラストシーンを思い出して欲しいのですが、最後に主人公の男の子が自ら捨てた楽しかった日々を受け入れて泣き崩れて、それでも日々が続いていくシーンで終わります。
自分たちに負荷のかかる楽しい日々には必ずそれ相応の覚悟が必要で、それを守れなくなっても仕方がない、それをただ悲しむことしかできない、というただそれだけを高純度で描いたとってもいいラストだと思います。

『メゾンドヒミコ』でもそれを確認してただ悲しむしかなくなった娘は最後にまたその老人ホームに招かれます。
そこでも何も解決はしないのですが、何故か見ている方としては、うん、まぁいいか、そうなんだよね、という気持ちになります。
不思議ですよね?
だからもう脚本と監督のなせる技としかいいようがないんですが。

「他者とわかりあう」、ということがどういう風に困難で、そう思うことはどうしようもなく切ないことなんだ、ということを高純度に抽出しているのが、『メゾンドヒミコ』『ショートバス』だと思うのです。
こういう簡潔に的確に短い文章で表現しきれないことを上手く表現できるというのが、良い映画(文学や音楽)だと俺は思います。
それを意味がない、メッセージがない、とか言われても、そうかなぁ、素晴らしいのになぁとしか思えません。
もう素晴らしかった。
満足。
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  1. 2009/02/06(金) 00:56:10|
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Author:ザ・ブレーメン
2000年生まれの宅録3人組です。
ほとんどメンバー間で喧嘩もなく無事6年目に突入しました。
『ブレーメンの隠れ家』というHPでマイペースに活動しています。
この「若気のいたり」ではメンバー3人が日々のあんなことやそんなことを書いていきます。
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