若気のいたり

宅録3人組ザ・ブレーメンのメンバーによる交換日記です。

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タケシ日記~『1Q84』読み終えた~

村上春樹の最新作『1Q84』をようやく読了しました。
以下、自分なりにまとめます。
文章でまとめたほうが自分の中できちんと生理整頓されたものになるので。
だからこれから読む予定の方で事前にあまり情報を入れたくない方はもちろん読まない方がいいです。



村上春樹の近作の傾向通りの物語と言ってもいいかもしれません。
が、違う点はもちろんたくさんあります。
あるひとつの純粋な絶対的悪意のある存在とそれに対して受け入れられない思いで対抗していく物語が近作の傾向だとしたら(『世界の終わり』~『海辺のカフカ』)、この『1Q84』で描かれている物語も簡単に言うとそんな感じですが、「純粋な絶対的悪意ある存在」→「善か悪か判断のしようのないものだが、人間を確実に損なわせる存在」、とより物語の設定としては高度なものになっています。
『ノルウェイの森』に代表されるいわゆる初期~中期の作品には対抗という意識がなく、その大きな力にただただ翻弄される人間が描かれていて、そこら辺が初期の方が好き、最近の方が好きという好みの差がでるのだろうなぁと自分では思っています。
ちなみに俺は初期~中期の方が好きでした。
この『1Q84』を読むまでは。

(『ノルウェイの森』のラストシーンの現実の世界で生きていこうと決意する主人公が「僕はどこにいるのだ?」と理解できないまま終わる、『ダンスダンスダンス』での「踊り続けるんだ」という結論、というのは、村上春樹作品の転換点なのかも知れませんね、ちょっと蛇足で考えると)


この『1Q84』の中で一番重要な存在の“リトル・ピープル”と呼ばれるものについて、“リトル・ピープル”とは何なのか、を読者が自分の中で設定しなくてはいけません。
これは“人間に理由なく訪れる運命”なんだろうと俺は考えながら読んでいました。
例えば、明日大地震や大噴火が起きて今までの生活が取り返しが着かないくらい損なわれること、自殺のために他人を殺しまくる人間によって行われる事件に巻き込まれること、どこか自分とは違うところに住む人たちからお前らなんて死んでしまえと簡単に思われてミサイルのボタンを押されてしまうこと、あげればキリがないくらいある、本当は確実に存在するはず、存在する可能性は必ずある、説明の必要のない人間を極端に失わせる出来事の起こりうる、運命。
この『1Q84』はその運命に翻弄される人間たちの物語なのです。
自分の子供時代を暗く惨めなものにさせられること、何かを自分で選ぶということを放棄してしまうこと、深く誰かと結びつくことができなくなること。
こういった出来事も自分では選びようのない運命で、それはあまりにも理不尽で悲しくてあってはいけないことです。

運命とは普通の人には見えないしその声は聞こえません。
“リトル・ピープル”と直接コンタクトが取れる人間には資格が必要だし、その代償に失われるものも当然あります。
その運命に対して人間が対抗し得るのは何か。
それは即答で「誰かを強く想う愛という心」だといえる覚悟とタフさだ、というのがこの『1Q84』で村上春樹がこの世界に住む人たちへ伝えたいメッセージなんだろうと思います。
シンプルだけど、とても確信に満ちていて、この現実世界に生きているということはそのくらいの覚悟がないと自分で考えて生きるということを放棄してしまうことと同義なんだ、ということなんでしょう。
この世界に生きることの覚悟を迫る作品なんです。


全体を通して読むとかなり非現実的な世界観の物語のはずなのに(月が2つある、リトル・ピープルが空気さなぎを作る、猫の街に迷い込んで・・・)、村上春樹の洗練されまくった文章のせいで全くといっていいほど違和感がないまま読者はこの物語の世界に入っていけます。
1985年に発表された『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思い出して比較してみればこの20年の間に村上春樹の文章はここまで洗練されたのか、と今まで村上作品を愛読していた読者にもかなり驚かされるはずです。
俺はこの点が一番この作品で衝撃的だったかもしれません。
これは、本当に凄いことだよなぁ。

2巻目(本のタイトル的には『1Q84 Book1、2』という表記)のラストシーンはおそらく続編があるのではないかと思わせる最後だし、3巻目がもしでたらどういうことになるのかわかりませんが、とにかく最新型の村上作品なので愛読家の方は是非読んで俺と話しましょう。
最新作で、いつももうこれ以上のレベルはないんではないかと思わせるクリエーターと同時代に生きて最新作が読めるという幸運があることはとっても幸せなことですね。
俺はそんなことを強く思いました。

以上
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  1. 2009/06/15(月) 00:55:29|
  2. タケシ日記
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タケシ日記~日本ほぼ縦断~

大分かー。
いやぁ見事に日本の(そして海外の)色んなところに散らばりましたな。
こういうときほどネットのありがたさを感じますなぁ。
一人暮らしの具合はどうだい?
彼が今ネット使える環境にいるかどうかよくわからないんだけど、コモはどうにかやっているようだよ?
台湾で車に轢かれたりしながらも。

ブレメンやろう!
あぁやりたいね、ブレメン。
  1. 2009/06/02(火) 20:47:07|
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ザ・ブレーメン

Author:ザ・ブレーメン
2000年生まれの宅録3人組です。
ほとんどメンバー間で喧嘩もなく無事6年目に突入しました。
『ブレーメンの隠れ家』というHPでマイペースに活動しています。
この「若気のいたり」ではメンバー3人が日々のあんなことやそんなことを書いていきます。
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